柴山です。
春は「始まり」や「変化」の季節と言われています。進学・就職・異動などで「新生活」をスタートされた方も多いのではないでしょうか?
環境の変化が大きいこの季節は、モチベーションが高くなる一方で、変化に適応するためにストレスを感じてしまうことも増えます。
実はこのストレスには環境の変化だけではなく、栄養不足も関係していることをご存じでしょうか?
私たちの体はストレスを感じたときに、「特定の栄養素」を消費してストレスから身を守ろうとします。そのため、体内でそれらの栄養素が不足していると、ストレスに抵抗しづらい体になってしまう可能性があるのです。
今回は、ストレスの軽減に役立つ栄養素と、その栄養素を効率よく摂取できる食材についてお伝えしますので、参考にしていただければと思います。
1.ストレスの軽減に効果的とされる3つの栄養素
そもそもなぜストレスと栄養素が関係しているのでしょうか?そのカギとなるのが脳から分泌される「ホルモン」です。
感情とホルモンは深く関係しており、ホルモンの中にはストレスによる「イライラ」した気分を生み出すものがある一方で「楽しい・嬉しい」といった感情を生み出したり、ストレスを軽減させる働きを持つものがあるのです。
この「ストレス軽減ホルモン」を作るために必要な栄養素や、ストレスを感じたときに消費される栄養素をご紹介します。
ストレスを和らげる栄養素
1.ビタミンC・ビタミンE
2.トリプトファン
3.ビタミンB群
ビタミンC・ビタミンE
野菜や果物、ジャガイモやサツマイモに多く含まれるビタミンCは抗ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」の材料の一つです。
「コルチゾール」の働きには様々なものがありますが、その中でも一時的に体内の血糖値を増やして体がストレスに対処する準備をする働きがあります。
アボカドやアーモンドなどに含まれるビタミンEも抗ストレスホルモンの「コルチゾール」の生成に関係があり、ともに作用しあいながらストレスに対する防御反応を高めてくれます。「コルチゾール」はストレスを軽減してくれる一方で、過剰に分泌され続けると、糖尿病の原因や免疫力が低下する副作用があると言われています。これらの副作用を防ぐために、ビタミンC をとるだけでなく、リフレッシュする時間や睡眠など、ストレスを軽減する工夫も必要です。
トリプトファン
ごまや大豆製品に多く含まれる必須アミノ酸の「トリプトファン」は感情を穏やかに保ちストレスを減らし、幸せを感じやすくする働きを持つと言われる神経伝達物質「セロトニン(ハッピーホルモン、幸せホルモン)」の材料になります。
この「セロトニン」は、体のリズムを整えて快眠しやすい状態にする「メラトニン」を生成します。ストレスを減らすだけでなく、しっかりと睡眠をとって心と体の調子を整えるためにも、「トリプトファン」含む豆乳や納豆などの大豆製品を意識して取り入れてみましょう。
ビタミンB群
現代人は「ストレスを抱えやすい」「集中力が続かない」「落ち着きがない」と聞いたことはありませんか?これらは、食生活の乱れによるビタミンB群の不足が関係していると言われています。
脳はストレスに対処するときにエネルギーを使いますが、脳の栄養源となるブドウ糖を効率よくエネルギーに変えるためにはビタミンB1・B2・B6などさまざまなビタミンB群によるサポートが必要です。
豚肉に含まれるビタミンB1や、鶏卵に含まれるビタミンB2、バナナやナッツに含まれるビタミンB6などのビタミンB群はチームで働き、神経系や脳の働きを高めてくれます。どれかひとつとるだけではなく、数種類のビタミンB群を同時に摂取することが大切です。
ビタミンB群が足りないと脳がエネルギー切れを起こし、「集中力が続かない」「落ち着きがなくなる」といった状態になってしまいます。その結果、仕事や生活に支障が出るだけでなく、さらなるストレスが生まれる可能性があります。
次回は、これらを含む食品をご紹介します。