柴山です。食中毒について今回は2回目です。今回は食中毒を起こさないためのポイントをお伝えします。
食中毒を起こさないために必要なこと
夏場にもし下痢を起こすことがあれば、食中毒が原因となっている可能性もあります。なかには気づかないうちに重症化する例もあるため、注意が必要です。今回はコンビニご飯や作り置きできるおかずをよく食べるという人へ向けて、食中毒を起こさないためにどのようなポイントに注意したらいいのかをお伝えします。
食中毒の原因と症状は前回お伝えしたように、ふだん目に見えない細菌やウイルスが食事を通して体内に入ることで起きる不調です。下痢や腹痛など、さまざまな症状があります。
ただの風邪や体調不良のような症状もあれば、食中毒と気づかないまま重症になったり、命に関わったりする事例もあるため、日頃から注意が必要です。
食中毒を起こすおもな細菌には、卵・肉・魚などが原因の「サルモネラ菌」、生魚などに多い「腸炎ビブリオ菌」、加熱が不十分な鶏肉などの「カンピロバクター」、私たちの皮膚や口内などに存在する「黄色ブドウ球菌」などがあります。
食中毒対策の基本は、食中毒の原因となる細菌を「つけない、増やさない、やっつける」、この3つのポイントを押さえておくことです。
コンビニご飯で食中毒を起こさないように気を付けるポイント
コンビニで売られている食品は、購入する時点では基本的に衛生管理がしっかりされている状態です。しかし、食中毒を起こす可能性はゼロではないため、以下のポイントに気を付けましょう。
①常温で放置しない
食中毒の原因となる細菌は、常温で放置しておくと増えやすい特徴があります。特に夏場の温度や湿度は細菌にとって快適である場合が多いです。そのため、コンビニで買った要冷蔵の食品やお弁当・サンドイッチなどは、購入後に常温で放置せず、冷蔵庫で保管して早めに食べましょう。
②生ものは避けるか早めに食べる
生野菜やお刺身、生卵など加熱が十分にされていない食品は食中毒菌が増えやすいと考えられるため、できるだけ避けるか早めに食べるようにしましょう。
自宅で加熱ができる場合は、再加熱することも一つの方法です。
③食べかけの食品に注意
食べかけのものを再度食べるときや、だれかとシェアしながら食事をしている場合は、食中毒菌が増えやすいため注意が必要です。食べかけのものは可能であれば再加熱したり、あらかじめ別の容器に食べる分だけ取り分けたりしておきましょう。シェアするときにはなるべく取り箸を使い、直箸は避けるようにすることで食中毒予防につながります。
作り置きで食中毒予防のために気を付けるポイント
作り置きのおかずを作るときにも、いくつか注意するポイントがあります。
①食材の買い物や保存状態に注意
生の肉や魚・卵などを買う時にはなるべく新鮮なものを選び、保冷材などを使って持ち帰る。帰宅後は早めに冷蔵庫に入れて、肉や魚はビニール袋や容器に入れて保存し、ほかの食品に肉汁などが付着しないようにしましょう。
②調理器具は衛生的にする
調理前は必ずせっけんで手をよく洗い、生の肉や魚・卵を触った後も必ず洗ってください。また生の肉や魚を切ったまな板や包丁は、よく洗って熱湯消毒をした後にほかの食品に使うといいです。できれば包丁やまな板は肉用・魚用・野菜用と分けておくと安心です。
③中まで加熱する
加熱調理をするときには、中までしっかり加熱することで食中毒菌を殺菌できます。中心部の温度が75℃、1分以上の加熱をすることが目安です。
④水分をなるべく残さない
細菌が繁殖しやすい原因の一つに、水分が多い環境であることも挙げられるようです。加熱調理ができるものであれば、焼く、炒める、揚げる、炒り煮などの調理をして、できる限り水分を飛ばしておくとよいでしょう。
⑤完成した料理は冷まして保存
作り置きする場合には、調理後の料理は粗熱をとってから冷蔵庫にいれます。熱いまま冷蔵庫に入れてしまうと料理自体の傷みも早くなり、さらに冷蔵庫内の温度を上げてしまうため、他の食品を傷ませる原因となる可能性があります。
⑥食べるときに再加熱する
作り置きした料理を食べるときには再加熱をしましょう。電子レンジの場合は全体がしっかり加熱されるように途中で混ぜることが大切です。また、食べるときに味がおかしかったり、変な匂いがしたりと、ちょっとでも傷んでいるようであれば食べずにすぐに廃棄しましょう。
夏バテや熱中症など、夏場はただでさえ体調を崩しやすい季節です。抵抗力が弱っているときに食中毒を発症したら、重症化するリスクも高まります。食中毒予防のためには、食事を買う時から調理、保存方法まで、細菌を増やさない工夫が大切になります。