夏の疲れを乗り切るためには？

栄養補給で乗り切る夏の疲れ

夏の疲れはビタミンB群の不足

疲れには食生活が大きくかかわります。高温多湿のため汗と共に体内の塩分が失われると、塩を主成分とする消化液の分泌が少なくなり、消化能力が低下します。食欲がなくなり水分ばかりを摂っていると、さらに食欲が低下していきます。

そこで不足しているエネルギーを手っ取り早く補おうと糖分ばかりを摂り過ぎると、代謝に必要なビタミンB群が不足してエネルギー不足となり、 疲労を招くことになるのです。

夏の疲れを引き起こす原因

夏は暑さや湿気が原因で次のような状態になり、疲れを感じやすくなります。

・食生活の偏り

　食欲が低下し食事を抜いたり、素麺などのあっさりした炭水化物中心の食事をとることが多くなり、ビタミンなどの栄養素が不足します。

・睡眠不足

　暑さで十分な睡眠をとることができないため、その日の疲労が回復できず、蓄積してしまいます。

・冷房による冷え

　冷房が効きすぎた室内に長時間居続けることで血行が悪くなり、冷えやだるさなどの症状が現れます。

・暑さを我慢する

　節電を意識して冷房の使用を我慢することで、夏バテを起こします。

疲れを招きやすい食生活

食欲が低下する夏は、食生活が偏る傾向にあります。夏にやってしまいがちな良くない食生活は次の通りです。

・水分の過剰摂取

　水分ばかりとり塩分をとらずにいると、消化能力が低下して食欲不振を招きます。

・炭水化物飲みの食事

　ごはんやパン、麺類などの糖質の摂取量が増えるほど、それらの代謝に必要なビタミンＢ群を消費します。ビタミンＢ群が不足すると糖質をエネルギーに変換できずに疲労を招いてしまいます。

・たんぱく質の不足

　肉や魚、卵や大豆製品などのたんぱく質を多く含む食品を毎食とらないと、鉄分不足を招きます。そうなると全身への酸素の運搬や、老廃物の回収が滞って疲れやすくなってしまいます。

・食事を抜く

　食欲の低下により１日３食とらないことで、１日に必要なエネルギーや栄養素を補給できず、疲労回復ができなくなります。

疲れをためない生活習慣

疲れをためないためには、その日のうちに疲れをリセットすることが大切です。日々の生活習慣を改善することで疲れがたまりにくくなります。

・１日３食栄養バランスの良い食事をとる

　「一汁三菜」といわれている、ご飯に汁物、おかず３種で構成された日本の献立が理想的です。加えて高齢者は脂質の摂取量が不足しがちなため、脂質を含んだ料理を意識して摂ると良いです。

・十分な睡眠をとる

　翌朝きちんと目覚めて、日中に疲れを感じないのが適切な睡眠時間になります。疲れ具合によって睡眠時間を調節することが大切です。また、寝る前のカフェインや過度なアルコールの摂取、喫煙など、睡眠を妨げる要因を避けることも大切です。

・湯船に浸かる

　暑い日はついシャワーだけで済ませてしまいがちですが、冷房で冷えた体の血流が滞ったままで老廃物がたまり、疲れが慢性化してしまいます。なるべく湯船に浸かる習慣を付けると良いです。

・冷房の設定温度は２５～２８度を目安にする

　屋内外の気温差を小さくするため、冷やし過ぎは禁物です。しかし最近では節電意識の高まりからエアコンの使用を我慢したり、設定温度が高すぎたりしても熱中症のリスクが高くなります。就寝時には設定温度を高めにしたり、自動で切れるようにセットすると良いでしょう。

・軽い運動を行う

　涼しい場所、もしくは涼しい時間帯に、軽い筋トレやヨガ、ウォーキングなどを行い血流を良くすると良いです。また自律神経を整えてくれる働きもあります。

ポイントとなる栄養素とその食材

・たんぱく質

　内臓や皮膚など身体を作る主要な栄養素。体温調整などで夏は消耗しやすく補給が必要になります。

【多く含む食材】

　肉類・魚介類・豆類・卵類・乳製品など

・ビタミンB１

　老廃物を代謝し疲労回復させる働きがあります。

【多く含む食品】

　豚肉・うなぎ・豆腐など

・ビタミンC

　夏の暑さや疲労など身体的なストレスを和らげる効果があります。

【多く含む食品】

　トマト・ピーマン・イチゴ・キウイなど

・クエン酸

　疲労回復効果があります。

【多く含む食品】

　レモンなどの柑橘類・梅干しなど

以上のように元気に過ごすための対策を参考にしていただければと思います。