柴山です。今回は夏の水分補給①に続き、②です。
水分補給と飲料の種類
水分補給ができるものは水以外にも以下のものがあります。
・清涼飲料水
・フレーバーウォーター
・お茶
・コーヒー
しかし、水以外は砂糖やカフェインなどの過度な摂取が心配です。摂り過ぎると健康に被害を及ぼす可能性があるため、水をメインの水分補給方法として、たまに楽しむ程度にしておくと良いでしょう。
清涼飲料水
清涼飲料水は、スポーツや汗をたくさんかいた後の水分補給として最適です。しかし、糖分が多量に含まれているため、常飲はおすすめできません。
含まれる糖の量
種類(500ml) | 砂糖の量 | 角砂糖 |
炭酸飲料 | 40~65g | 10~16個分 |
スポーツドリンク | 20~34g | 5~8個分 |
果汁100%ジュース | 50~60g | 12~15個分 |
世界保健機関(WHO)の発表によると、平均的な大人の1日の糖分摂取量目安は25g程度です。そのため、500mlの清涼飲料水を1本飲むだけで1日分の必要摂取量をオーバーしてしまいます。1日の水分量を清涼飲料水でカバーするとなると、大量の糖分も一緒に摂取することになります。糖分の取り過ぎは糖尿病などの生活習慣病にもつながる可能性があるため、清涼飲料水は、カロリー消費の激しいスポーツ時に限った水分補給とすることが理想的です。
フレーバーウォーター
そのままの水が飲みにくい人にはフレーバーウォーターがおすすめです。水のように無味無臭ではなく、少しフルーツ味がついているためジュース感覚で飲める飲料水です。フレーバーウォーターというネーミングから健康的な印象を受けますが、フレーバーウォーターはジュースと同じ清涼飲料水に分類されます。
酸味料や砂糖が含まれているものもあるため、水分補給として常飲するのはおすすめできません。「水」というヘルシーなイメージからダイエット中でも気軽に飲んでしまう人がいるかもしれませんが、大きな落とし穴があることを覚えておきましょう。
お茶
お茶にはカテキンという成分が含まれており、抗酸化作用や殺菌効果があると言われています。しかし意外と見落としがちなのが、「お茶にもカフェインが含まれている」ということです。種類にもよりますが、玉露であればカフェイン含有量がコーヒーの約2.5倍にも及ぶのです。他にも緑茶や紅茶にもカフェインが含まれているので覚えておきましょう。
カフェインは適量であれば、健康やダイエットに良い効果をもたらしてくれます。しかし、過剰摂取はめまいや心拍数の増加、ふるえなどの症状を引き起こします。
カフェインの影響は個人差が大きいことから日本でも国際的にも1日の摂取目安量は制定されていません。しかし、妊婦においては世界保健機関(WHO)の発表において、1日300~400mgにすべきとされています。玉露100mlに約160mgのカフェインが含まれているため、2.5杯以上飲むと摂りすぎとなってしまう計算です。妊娠していない人は許容量が増えますが、いずれにしても摂り過ぎは良くないため、水分補給の合間に楽しむ程度にしておくことをおすすめします。
コーヒー
コーヒーでも水分補給が可能です。コーヒーにはカフェインや抗酸化物質が含まれており、脂肪燃焼効果や生活習慣病やがんのもとと言われている「活性酸素」を相殺する効果が期待できます。良い効果も多いコーヒーですが、飲み過ぎは良くありません。
コーヒーは貧血になりやすいというデメリットがあります。貧血はコーヒーに含まれるタンニンによるもので、鉄分の吸収を妨げます。そのため、鉄分不足となり、貧血を起こしやすくなるのです。また、タンニンはクロロゲン酸という成分が舌に付着することで、口臭の原因になることもあります。
さらに、カフェインによる利尿作用も見逃せません。水分を摂取したいのに、利尿作用で多くの水分を排出してしまっては本末転倒です。そのため、水分摂取のメインの方法としてコーヒーを考えるのは止めておきましょう。
水
水分補給に最適なのはやはり「水」です。
水は砂糖やカフェインなどの余計な成分が入っていないため、カロリーや健康被害を心配する必要もありません。また、水の中にはカルシウムが入っているためリラックス効果を得られたり、老廃物の排出を促したりしてくれるため美肌効果も期待できます。
しかし、中には「無味無臭な水は苦手」という方もいるかと思います。どうしても飲みづらいときは、レモンやブルーベリーなどのフルーツや、ミントなどのハーブを入れて手作りフレーバーウォーターにすると飲みやすいでしょう。手作りであれば、糖分や酸味料の心配がいりません。作り方は、材料を切って水に入れておくだけ。2~3時間放置すれば見た目にも可愛く、香りや味も楽しめるフレーバーウォーターのできあがりです。
熱中症予防に気を付けるべき行動3選
ここまで水分補給のコツをお伝えしましたが、暑い時期に働く人が気を付けたいのが熱中症です。熱中症予防には、水分の補給だけでは不十分なため食事の面でも気を付けるべきことがあります。
食欲がなくても、食事は3食食べる
前回の記事でお伝えしたように、飲料水だけでなく、食事からも意外と水分を補給しています。欠食は必要な栄養素が摂れないだけでなく水分不足を引き起こし、熱中症にもなりやすくなります。特に身体が脱水状態の、朝食の欠食には気を付けましょう。
アルコール、カフェインには要注意
暑い日が続くと冷えたビールがおいしいですが、熱中症予防にはアルコールやカフェイン(コーヒー、紅茶など)の摂取にも注意が必要です。
先ほどお伝えしたようにアルコールやカフェインには利尿作用があり、摂取した量以上の水分が身体から排出されます。水分補給どころか脱水状態を招きます。飲みすぎた次の日は、いつも以上に水分補給を意識しましょう。
塩分補給はほどほどに
夏場は汗と共にミネラルも失われます。そのためある程度の塩分摂取が必要ですが、摂りすぎるとむくみや血圧の上昇につながります。夏場とはいえ、塩分補給は通常通りの食事で十分。激しいスポーツや炎天下での肉体労働で汗を多量にかく方の場合は、おやつ代わりに塩飴をなめるなどの対策がおすすめです。
「水分補給」といっても、何を、どう飲むかによって効果に違いがあることがおわかりいただけましたでしょうか。
3食の食事を基本として、水分を上手に補給して過酷な夏を乗り切りましょう!