柴山です。暑い夏の季節がやってきました。熱中症対策は万全ですか? 熱中症予防には、水分補給が欠かせないですよね。 ただ、ただやみくもに水分を補給するだけでは熱中症予防には不十分なことがあります。さらに、間違った水分補給はむくみによる夏太りの原因となってしまうことも・・・。今回は、熱中症予防に効果的な水分補給の方法と、むくみ対策のコツをご紹介します。
夏の水分補給はどのくらい必要?
厚生労働省では1日に2.5Lの水分摂取を推奨しています。これだけ聞くと、「1日に2.5Lも飲めない」と思ってしまいますが、3食しっかり食事をとっていれば、食事から1日約1Lの水分を補給することができます。そのため飲料水として摂取が必要なのは、残りの1.5L程度と考えるとよいです。
細かくいうと必要水分量は年齢や体重で異なります。例えば、年齢が60歳で体重60kgの場合の必要水分量は1.8Lです。年齢が25歳で体重50kgの場合は、必要水分量が2.0Lなります。
必要水分量は以下の計算式で算出できます。
【計算式】
体重(kg)×年齢別必要量(ml)=必要水分量
【年齢別必要量】
• 30歳未満・・・40ml
• 30~55歳・・・35ml
56歳以上・・・30ml
【計算例①】50歳70kgの場合
70(kg)×35(ml)=2,450(ml)
【計算例②】70歳55kgの場合
55(kg)×30(ml)= 1,650(ml)
【計算例③】22歳60kgの場合
60(kg)×40(ml)=2,400(ml)
体重と年齢別必要量を当てはめて、自分の必要水分量を計算してみましょう。
食事から摂取できる水分量
私たちは約1Lの水分を食品から摂取しています。水分補給というとどうしても「水を飲む」と考えてしまいますが、食品にも水分が含まれているため、食事からも水分を摂ることができます。そのため食事の内容も重要です。水分をたっぷり含んだご飯やサラダ、スープを良く食べる人は食事から摂取する水分量も多くなります。反対に、パンや肉を中心に食べる人は食事からの水分量が減るため、飲料水での必要摂取量が増えることになります。
体が一度に吸収できる水分量
体が一度に吸収できる水分量は、200~250mlと言われています。大量に飲んでも吸収しきれなかった分は尿として排出されてしまいます。せっかく水分を取ったのに排出されては意味がありません。そのため、一度に大量に摂取するのではなく、こまめな水分補給が大切です。200~250mlはコップ1杯程度であるため、1日6~8回に分けて飲む必要があります。時間帯を決めておくと忘れずに済むでしょう。
水分の摂りすぎは逆効果に?
水分を一度に大量に摂取すると「水中毒」を引き起こす可能性があります。水は体内で利用された後、腎臓で処理され尿として排出されます。しかし、腎臓の能力以上の水を摂取してしまうと、処理が追いつかずに体内の塩分濃度が薄まってしまう「低ナトリウム血症」という症状に陥るのです。具体的な症状は、「頭痛」「嘔吐」「むくみ」に加えて、重症の場合は「意識障害」が起きる可能性もあるので、水の多量摂取には注意が必要です。取り過ぎの目安としては、個人差があるところですが、「1時間以内に1L」は飲み過ぎと言えるでしょう。
水分補給のタイミング
寝起き・運動時や仕事など活動時・入浴前後・寝る前などの主に汗をかくタイミングで、水分補給をすると良いでしょう。汗をかく前と後で身体に水分を補給してあげるのが理想的です。
寝起き
成人男性で1晩にコップ1杯ほどの寝汗をかいていると言われており、寝起きの身体は乾燥状態。そのため、寝起きに水を飲むことで寝ている間に失った水分を補うことができるのです。また寝起きに摂取する水は、胃を起こして腸のぜんどう運動を誘発する効果もあります。自然にスムーズな排便を起こすことができるため、便秘の人はおすすめです。
さらに筋肉にも水分が補給されるため、代謝が上がりエネルギー消費量を増やせます。代謝が上がれば肌のターンオーバーも促され美肌にも繋がります。寝起きの水は良いことずくめなのです。そのため、朝起きたら、朝ご飯を食べる前にまずは常温のお水をコップ1杯飲むようにしましょう。
運動・活動時
運動すると発汗し体温が上昇しますが、水分補給をすることで脱水症状の予防・体温の上がりすぎを防ぎます。夏の暑い時期には、冷たい水を飲むことで深部体温の上昇を抑えることができます。それによりパフォーマンス低下を防げます。また、運動中の水分補給のタイミングとしては、運動「前」「中」「後」がおすすめです。夏は深部体温を上げないように冷たい水で、冬は常温または白湯などで体温を下げないように工夫しましょう。
入浴前後
入浴中はたくさんの汗をかきます。汗をかくことで血液中の水分が減り、血行が悪くなるため、血管が詰まりやすくなるのです。そのため、入浴前後には水分補給を行いましょう。特に高齢者は、加齢により水分量が減少しているため、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなります。そのため、入浴前と後に十分な水分を補ってあげることで、不測の事態に備えることができるでしょう。入浴前後で飲む水の目安は、コップ1杯程度です。入浴前の1杯で発汗を促し、入浴後の1杯で水分を補給してあげると良いでしょう。温度は常温が理想的ですが、自分の飲みやすい温度でも問題ありません。
寝る前
寝ている間は汗をかくため、脱水症状にならないためにも水分補給が必要です。特に飲酒した場合は注意しなければなりません。「お酒を飲んでそのまま寝る」という人も多いかもしれませんが、アルコールは利尿作用があるため、水分を体外に排出します。また、アルコールの分解で水を必要とすることから飲酒後は脱水症状となりやすいのです。そのため飲酒後に水分補給をせずに寝てしまうと、飲酒での脱水症状と寝汗でさら拍車をかけてしまい、危険な状態に陥る可能性があります。さらにアルコールによる脱水状態を放置しておくと、有害物質であるアセトアルデヒドが体内にとどまり二日酔いの原因となります。しかし飲酒後にきちんと水分補給しておけば、脱水の防止になるだけでなくアセトアルデヒドの排出を促すため、二日酔い防止にも繋がります。