
柴山です。前回までは免疫とは何か、免疫の種類などをお伝えさせて頂きました。
今回は免疫機能を維持するポイントをお伝えさせて頂きます。
体を健康に保つためには免疫機能を維持することが重要です。
免疫機能ははたらきすぎても体に悪い影響を及ぼしてしまうため、正常にはたらいている状態を保つ必要があります。また免疫機能の維持についても測定は難しいと言われていますが、正常な免疫機能の維持には健やかな生活が重要だと考えられています。
また自律神経の働きは、心理状態に大きく影響されます。そのためストレスに対処することが最も重要なポイントといえます。そしてもちろん、生活習慣を見直すことも必要です。
免疫力を維持するポイント
・1日3食バランスの良い食事をとる
・適度な運動をする
・睡眠をしっかりとる
・ストレスをためないようにする
・体を温める
・リラックスできる時間を作る
・よく笑う
①1日3食バランスの良い食事をとる
免疫機能を維持するためには、良質なたんぱく質・ビタミン・ミネラルが必要です。脂肪や糖分ばかりが多くなりがちな洋食に比べて、和食は栄養バランスがよくおすすめです。
また特定の食品ばかりに偏らないよう1日3食バランスの良い食事を心がけましょう。
②適度な運動をする
運動が体にさまざまな良い影響を与えることは多くの方がご存じかと思います。
「運動はすればするほど良い」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は運動をしすぎてしまうと免疫機能を低下させる恐れがあるといわれています。
運動不足の場合でも免疫機能のバランスが崩れてしまう可能性はありますが、過度な運動をしてしまった場合の方が運動不足の場合よりリスクが高くなっています。そのため「運動は適度に行う必要がある」のです。
免疫機能を正常に保つためには最大酸素摂取量の50~60%、または無酸素性作業閾値以下で1日20~60分の運動を週3回以上の頻度で長期間継続することがいいといわれています。
最大酸素摂取量とは
1分間に体重1㎏あたりどれくらいの酸素の量を取り込めるかを示す単位です。きつい運動をしたり、長時間運動をしたときでも、体内に十分な酸素を取り入れて利用できる力を全身持久力といいますが、最大酸素量は全身持久力の指標として使われます。
無酸素性作業閾値(むさんそせいさぎょういきち)とは
運動強度を軽いものから徐々に強いものに上げていくとき、筋肉がエネルギーを消費するために必要な酸素の供給が追いつかなくなり、有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点となる運動強度の値です。健康の維持・増進や生活習慣病の予防・改善のための運動強度の目安としても用いられています。
わかりやすい目安として、息切れしない・笑いながら会話できる程度の有酸素運動を行うと良いでしょう。まずは1日10分程度の体操をするだけでも良いので、運動習慣をつけることが大切です。可能ならばうっすらと汗をかく程度の時間、散歩ができると良いです。運動は免疫機能を向上させる他にも、生活習慣病を予防したり、転倒を防いだり、脳を活性化させるなどの効果もあります。
③睡眠をしっかりとる
夜にきちんと眠れれば、昼間はすっきりと起きて動けるようになります。
昼は交感神経が、夜は副交感神経が優位に働くという自然な切り替えをするためにも、睡眠のリズムを確保することが重要です。また、睡眠がしっかり取れていないと感染症にかかりやすくなるだけでなく生活習慣病の発症リスクを高めたり症状が悪化してしまったりすることもわかっています。
④ストレスをためないようにする
ストレスがたまると免疫機能が低下し、感染症などの様々な病気の発症につながるといわれています。ストレスが免疫機能のバランスを崩すメカニズムはまだ明らかになっていませんが、副腎皮質から分泌される「コルチゾール」というホルモンが影響しているのではないかと考えられています。
コルチゾールとは
副腎という組織から放出されるホルモンの一種で、糖質や脂質、たんぱく質の代謝などに関わっています。ストレス負荷によって分泌量が増加する「ストレスホルモン」としても知られており、ストレスを評価する指標として研究が進められています。また、ストレスを受けると炎症が起きていることを示す物質や免疫細胞が増加することもわかっています。
そのため、日ごろからなるべくストレスをためないように心掛けておきましょう。
ストレスがたまると免疫機能が低下し、感染症などのさまざまな病気の発症につながるといわれています。
⑤体を温める
体温が高いとリンパ球が増えて活性化し、免疫機能が高まります。また、身体が温まると血管が拡張して副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。
入浴はぬるめのお湯でゆっくりと。40度くらいのお風呂に10分以上つかるとよいでしょう。シャワーだけでは身体が温まらず、交感神経が刺激されるため、あまりリラックスできません。根菜類、イモ類、しょうがなど、土の中にできるものは身体を温める作用があるといわれます
⑥リラックスできる時間を作る
仕事が忙しく、いつも帰りが遅い人は、なかなかゆったりとした時間がもてません。さらに、多忙はストレスから暴飲暴食を招きやすいものです。仕事を早めに切り上げ、30分だけでも早く帰れるようにしてみましょう。
また、責任感が強くまじめな人は、ついがんばりすぎて無理をしてしまうことが多々あります。適度に「手を抜く」ことも、時には必要かもしれません。
⑦よく笑う
笑うと副交感神経が優位に働きます。また、NK細胞という、免疫をつかさどる細胞が活性化されることが分かっています。たとえ作り笑いでもそのような効果がみられます。
まとめ
このようにすぐにでも実践出来そうなこともあるため、ぜひ生活の中で意識していただき免疫力を維持していきましょう。

