福岡です。中小企業の社長の方であれば、M&A仲介会社から電話やDM(ダイレクトメール)を受け取ったことがある方が多いと思います。
「少し興味あるけど、連絡したらどうなるのだろうか。」と考える社長も多いのではないでしょうか。
今回はM&A仲介会社から連絡が受け取ったときの対応について考えていきたいと思います。
M&A仲介企業からの営業トークとしては大きく2つある
M&A仲介会社からの営業トークとしては大きく2つあり、ひとつが「貴社に関心ある買い手企業がいます」、もう一つは「株価試算しませんか?」が多いです。
「貴社に関心ある買い手企業がいます」については、正直、高い確率でそのような買い手企業は存在しません。M&A仲介会社が買い手企業からヒアリングした希望の業種やエリアで企業を検索し、その条件に合致しているので連絡しているというパターンが多いです。
もうひとつの「株価試算しませんか?」については、この簡易株価試算で正確な株価を算出することは難しいです。参考程度にはなるかもしれませんが、その程度の試算であればわざわざM&A仲介会社にお願いしなくとも、自分でインターネットで調べながら対応できると思います。
「貴社に関心ある買い手企業がいます」も「株価試算しませんか?」も、社長の個人連絡先を聞き出したいための口説き文句という感じで使われています。
まずはこの認識をお持ちいただき、すべてを鵜呑みにしないことが重要だと思います。
M&A仲介会社からの電話やDMに対応すべきかどうか?
将来的にM&Aを検討することがあるかもしれない、あるいは少し関心はあるという方はM&A仲介会社と一度接点を取ってみてもいいかもしれません。ただし、上記に記載した認識を持ち、話をすべて鵜呑みにしないことが重要です。
M&A仲介会社の担当者のスキルは担当者によってバラバラです。多くの担当者と接点を取り、その中で今後話を進める際はこの人にお願いしたいという担当者と出会っておくことはメリットだと思います。
一度会ってみて、この担当者には任せられないとなれば、「いますぐ譲渡しません」などと伝えれば、しつこく連絡してくることは少ないと思います。
(逆に会わないと何度も何度もしつこく電話やDMがくる可能性もあります。あまりにしつこい場合はM&A仲介会社の代表電話などに電話してその旨お伝えすれば対応してくれると思います。)
M&A仲介会社の担当者と接点を取るときの注意点
①任せて問題ないと判断するまで、企業情報は開示しない
M&A仲介会社の担当者と面談すると、「株価評価をさせていただくので決算書を開示してください」や、「買い手企業に紹介するので、会社の詳細資料をください。」など、資料を依頼されることが多いと思います。
ここですぐに資料を開示することは危険です。資料を開示することで、こちらが応諾もしていないのに勝手に買い手企業向け資料を作成されて、ばら撒かれたりするリスクがあります。
まずは、本当に信頼できる相手なのか、その見極めが重要です。
また、初回面談時には秘密保持契約を締結することをおすすめします。
②資料開示やアドバイザリー契約は1社だけにする
最近、「非専任契約でいいので、まずはアドバイザリー契約をしましょう」というケースが多いようです。
非専任契約とは他のM&A仲介会社にも並行して相談できる契約を指し、逆に専任契約はアドバイザリー契約を締結した会社経由でしかM&Aを進められないというものです。
一見、「非専任であれば一度動いて様子みてみるか」など軽い気持ちで考える方もいらっしゃいますが、この考え方は危険です。
非専任で進めると情報の出所がわからなくなったり、いわゆる「出回り案件」のようになる可能性があり、様々なリスクがあります。
ですので、資料開示やアドバイザリー契約は信頼できる1社だけにすることをおすすめします。