柴山です。手軽で身近にあるコンビニ食は、忙しい日々や遠くまで買い物に行けない高齢者の味方になっていることでしょう。しかし、毎日のことともなると、栄養の偏りも気になってきますよね。そこで今回は、コンビニで食事を選ぶ際の基本的な知識と、組み合わせについて考えてみましょう。
コンビニ食でも主食・主菜・副菜が大切
健康的な食事の基本は、主食・主菜・副菜をバランスよく食べることです。それはコンビニ食であっても変わりません。最近のコンビニ商品は進化を続けています。健康を意識した商品の品揃えが進み、上手に選択することで栄養バランスの整った食事も出来るようになってきています。
①主食とは?
ご飯・パン・麺類など、穀物を主な材料とし、炭水化物を多く含む料理を指します。1日に摂取するエネルギーの50~60%は主食から摂ることが望ましいとされます。全く主食を食べないということがないよう、毎食、適量の主食を選ぶようにしましょう。
②主菜とは?
肉・魚・卵・大豆などを主な材料とした料理、またはこれらを加工した食品を使用した料理のことを指します。筋肉や血液など、体を構成するために重要なたんぱく質が多く含まれます。1食につき1~2品程度が必要量の目安となります。たんぱく質が不足すると、筋肉が衰え、運動・認知機能が低下しやすくなるので積極的に摂りましょう。
③副菜とは?
野菜・海藻・きのこなどを主な材料とした料理を指します。副菜はビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源となります。ビタミン類は摂取した栄養素が体内で有効に利用されるために重要であり、ミネラルは身体機能の維持や調整に不可欠です。野菜・ 海藻・きのこは1日に350g以上(1食120g)の摂取が推奨されているため、積極的に摂取することを心がけましょう。
参考例: 1食で約120gは、生野菜なら、両手いっぱいにのる量です。
ゆでた野菜は片手にのる量が、1食に取りたい量です。
コンビニでの選択ポイント
①単品購入
コンビニでは便利さを優先してしまい、つい弁当を選んでしまう傾向にあります。しかし、コンビニ食で栄養バランスを考慮するのであれば、弁当よりも「主食・主菜・副菜」を意識し、それぞれ単品での購入をおすすめします。
例: おにぎり(主食)+焼き鳥orゆで卵 (主菜)+野菜サラダ(副菜)
揚げ物類は、カロリー・塩分など多めなので毎日摂るのは避けましょう。
②弁当には野菜がない!?
コンビニ弁当はご飯や揚げ物などの比率が高く、野菜が少ない傾向にあり、揚げ物の下にはパスタが敷かれているなど、さらに炭水化物が増える場合もあります。弁当を全て食べた上で足りない栄養素を総菜類で補おうとすると、今度はカロリーの摂り過ぎとなってしまいます。しかし、食べたい料理が売っていない、同じものばかりで飽きてしまう、といった場合もあります。そのような時は、単品購入だけにこだわる必要はなく、幕の内弁当など、1品の中でもできるだけ品目の多い商品を選ぶことで、バランスの取れた食事に繋げられます。
③カロリー・たんぱく質・塩分表示を見るクセをつけよう
商品に栄養成分値が記載されているので、確認するクセをつけましょう。
注意①:コンビニ食が多い人によく見られるのが、おにぎりやサンドイッチ、めん類など炭水化物の重ね食べです。これでは、栄養バランスが偏りカロリー過多になりがちで、肥満や高血糖、メタボリック症候群のリスクを高めます。
注意②:塩分も控えめにし、ごはんやお茶がほしくなる味付けは塩分過多につながるということを覚えておきましょう。カップラーメンやスープ春雨の麺にも塩分が含まれており、汁は全て飲み干してしまうと1日の摂取量のほとんどを1食で摂ってしまうので、なるべく残すように心がけましょう。
「日本人の食事摂取基準2020年度版」より
日本人のナトリウム(食塩相当量)
成人の目標量男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。平成30年度のデータでは、食塩摂取量の平均値は10.1gであり、男女別にみると男性11.0g、女性9.3gとなっています。
④お会計の時に、不足品がないか最終チェック
「主食・主菜・副菜」が揃っていますか?確認してみてくださいね!
手軽に購入でき便利なコンビニ食ですが、体は食べたもので作られるため、やはり選び方が重要になってきます。自分に合った食品を選び、意識的に食べることで食生活が変化していきます。「何を選び、何を口に入れるか」決めるのは自分自身です。できることからコツコツと日々の食生活に取り入れていきましょう。