編集長です。本日の新聞で大きく取り上げられていた「日本人、全都道府県で減少」について労働の点からまとめてみます。
人口減少の年次推移
総務省の統計を遡ってみたところ、面白いことに気づきました。平成24年(2012年)までは、日本に居住している日本人のみカウントしていたようです。平成25年(2013年)からは、外国籍の方も含んだ人口と日本人だけの人口がカウントされています。グラフのオレンジ色が日本人のみの人数ですので、今回、話題になっているのはこのオレンジ色の線です。ちなみに、外国籍の方でカウントされているのは、「住民票を持つ外国人」のようです。
日本人の人口は平成21年(2009年)がピーク
総務省で、年齢階級別人口という統計が公表されていますので、グラフにしてみました。フィールドワークポテンシャルテストは、「労働人口減少の問題や高齢者のもっと活躍したいニーズに応える」ことを主眼にしているので、働く人の人数や割合にフォーカスしました。
2009年と言えば、今から14年までですので、定年は60歳で60歳を過ぎたら悠々自適に過ごしたいという希望を持つ方が主流でした。生産人口という言葉を国は使い、15歳からを生産人口とカウントしています。おそらく高校生が大多数ですが、アルバイトで労働力として活躍している人もいるのでこの考え方で問題ないかと思います。
15歳から59歳の方が約7250万人で、人口(この当時日本人のみの統計しかない)に比較し57.1%の割合でした。
2023年 14年連続で日本人減少の結果 あれ??
グラフで気づくことは、平成21年(2009年)には、80歳以上で一括りだったものが、対象の人口が増えたために区分けされたことです。そして、令和5年(2023年)のグラフでは60歳から64歳をオレンジ色にしました。これは65歳までの雇用延長が一般的になっているためです。
ただ、心配に思うのは、現状は65歳雇用延長ですが70歳までを企業の努力義務とされています。現在の45歳から54歳は第2次ベビーブームに該当しますがこの層が70歳になるころには75歳まで雇用延長の世の中になっているかもしれません。なぜなら、現在の生産性人口の割合でも年金制度の維持に問題があるからです。
さて、グラフを作成していて違和感を感じました。人口が減って大変だ!生産人口が減って大変だ!と日頃から見聞きしますが、人口は、約166万人減で、労働人口は増えています・・・
このグラフを作り始めた時には、平成21年(2009年)のデータに外国人が含まれていないことを知りませんでした。そこで、外国人がいないとどうなるのか?のグラフを作ってみました。
令和5年(2023年)日本人のみのグラフと重ね合わせ
グラフを見て20歳から54歳あたりが外国人が多いことが判ります。日本人だけだと働いて社会を支える層が減ってしまうことが判ります。外国人というと実習生という形で働く方というイメージが多いかもしれませんが、生まれた時から日本にいるけれど、国籍は親の国籍のままだったり、日本の会社や海外の会社の日本支社に転勤で来ている方など様々なケースがあるのが現状です。
また、アニメやマンガやアイドルやファッション。歴史ある文化や工芸品などに興味を持って日本で働きたい方もたくさんいるので、そういった方が働きやすくすることも良いことだと思います。が、緑色の65歳から69歳の人口ボリュームを見ると、社会全体としてこの層でまだまだ活躍したい人にどう活躍してもらうか?その論点を詰めた方が国内の様々な社会問題解決にも繋がりやすいかと思います。
最後に宣伝です
私たちは、フィールドワークポテンシャルテストという企業向けの身体能力テストを設計し販売をしています。これは、企業側は「人手不足」60歳以上の方は「できるだけ長く仕事をしたい」。しかし、年齢的に【安全面でどうなのか?何か事故を起こしたらワイドショーなどで高齢だから起きた事故】みたいな叩かれ方をしないか?【顧客や元請から高齢だから起きた事故】と責められないか?という踏み込めない谷があるのが事実です。
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