現代型栄養失調

現代の日本では、多くの人々がその時に食べたいものを自由に選んで、食べることができます。24時間営業のコンビニエンスストアや、ファストフード店などのお店が増えていますので、利用する機会は多いのではないでしょうか？ただ便利な反面、空腹を満たす・すぐに食べることが出来るものばかりを選んで、食事内容をおろそかにすると、必要な栄養素が不足して不必要なものが過剰になる「現代型栄養失調」に陥ってしまいます。

現代型栄養失調とは？

栄養失調とは、満足に食事ができないこと（食糧不足）によるものと考える方が多いのではないでしょうか？このような栄養失調は、主にエネルギー量が不足している状態を指しています。しかし、現代型栄養失調はエネルギーは十分足りているにも関わらず、たんぱく質やビタミン・ミネラルといった、体に必要な栄養素が不足している状態のことを指しています。これは現代の食生活のスタイルや食の欧米化が招いたもので、便利な現代だからこそ、起こりうる栄養失調です。

現代型栄養失調の原因は食生活の偏り

では、現代型栄養失調は具体的にどのような食生活から引き起こされるのでしょうか。これらが引き起こされる原因は大きく分けて「食事量の偏り」と「食事内容の偏り」があります。

食事量の偏り：自己流の無理なダイエット・習慣的な朝食欠食

食事内容の偏り：ラーメンや丼などの単品料理・レトルト食品

無理なダイエット

誤ったダイエットなどによる偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高めます。鉄欠乏やそれに伴う貧血は、だるい・疲れやすいといった自覚症状や発育障害などをもたらします。

無理なダイエットや偏った食生活は、鉄以外にも健康を維持する上で大切な栄養素の不足を招きます。また「食べない」といった無理なダイエットを繰り返すと、エネルギーを体脂肪として蓄えやすい体質になります。

習慣的な朝食欠食

朝食を欠食すると、午前中の活動に必要なエネルギーが不足します。またビタミンB群、食物繊維、カルシウム、鉄、タンパク質などの栄養素も不足します。昼食や夕食を欠食した場合よりも栄養バランスが偏りやすいと言われています。また1日で摂るエネルギー量を少ない食事の回数で摂取しようとする・体内時計のリズムも異常になり肥満や生活習慣病のリスクが高まります。他にも筋肉が萎縮し、ロコモティブシンドロームやサルコペニアの危険性が増大し、うつなどのリスクが高まるとも言われています。

食事内容の偏り

単品料理やレトルト食品などの偏った食生活は、栄養素の不足や過剰摂取を引き起こし、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

現代型栄養失調の特徴

次に、このような食事が続き栄養が不足したとき、体にどのような影響がでるのかをご紹介いたします。それぞれ足りていない栄養素によって、以下のような症状が現れます。

・ビタミン不足：不眠、疲れやすい

・たんぱく質不足：抜け毛や筋肉量低下

・たんぱく質➕ビタミン不足：シミ、シワ、肌荒れ

・カルシウム不足：骨折、骨粗鬆症のリスクが高まる

などといったような現代型栄養失調は健康にはもちろん、髪や肌にも影響を与え、抜け毛やシミなどの美容にも悪影響を与えます。このような症状を出さないためにも、食事からたんぱく質やビタミン・ミネラルを積極的に摂っていきましょう。

次回はすぐに実践できる食生活の改善のポイントをお伝えできればと思います。