山内です。
前回のコラムで一番古い歴史を持つフレーバードティーだと紹介させて頂いた【アールグレイ】アールグレイは製菓にも使われることが多く、アールグレイの香り=紅茶の香りと認識されるほど。
今回はそのアールグレイについて深堀りをしていきたいと思います
アールグレイってどんな紅茶?
アールグレイの名前は?
そもそもアールグレイティーとはどのような紅茶のことを指しているかというと…
アールグレイは、柑橘のベルガモットフレーバーを纏った世界的に人気のフレーバーティー
ベルガモットのフレーバーなら【ベルガモットティー】でもよさそうなのに、なぜアールグレイというのでしょうか?
アールグレイの名前は、1830年代のイギリス首相、第2代グレイ伯爵チャールズ・グレイにちなんで名付けられており
「Earl:アール」は伯爵の意味で
「Grey:グレイ」は名前にあたり…
「Earl Grey=グレイ伯爵」という意味になっているです
なぜグレイ伯爵が由来に?では、なぜグレイ伯爵に由来しているのか?
その理由にはいくつかの説がありますが、一番有名な説が…
【説1】
19世紀初頭にグレイ伯爵が、中国から贈られた香り付き紅茶を大変気に入り、その紅茶をヨーロッパで再現しようとしました。
しかし、そもそも香りの原料となるものが当時のヨーロッパでは手に入らなかった為、代替としてベルガモットが使用され、この新しいフレーバーティーが完成。それにより伯爵の名前が付けられた。
この時に手に入らなかった香りの原料が【竜眼・龍眼(リュウガン)】
竜眼はムクロジ科リュウガン属の常緑樹で、ライチに似たトロピカルフルーツになります。
この竜眼の木を製茶過程で使用したことにより竜眼木の煙香を纏った、いわゆる原始的なフレーバーティーを飲まれて、何とも言えぬ香りに魅了されて…という説になります。
それ以外にも説はあり…別の説だと
【説2】
グレイ伯爵が中国に派遣した外交団が中国人官僚の命を救い、その恩返しとしてオリジナルのブレンド方法のレシピが贈られたことが由来になったという説
しかし、上記の2つの説に対しても確かな証拠がなく、他にも様々な説が存在するし正確な経緯は不明ですが、グレイ伯爵が大の紅茶好きだったことは確かのようなので、何かしらの形でグレイ伯爵が与えた影響が大きいことは確かなのでしょうね。
様々なアールグレイティー
アールグレイの名前の由来や背景がわかったところで…様々なタイプのアールグレイを紹介します。
ベース茶葉違いのアールグレイ
前回のコラムでお伝えしたように、フレーバーティーはベースの茶葉が違っても、纏った香りで名前がついています。
アールグレイもベルガモットフレーバーを纏っているフレーバーティーなので、ベース茶葉の違いで様々なアールグレイを愉しむことが出来ます。
紅茶ベースのアールグレイ
使用されている茶葉が紅茶の場合でも、アッサムベースだったり、スリランカ茶葉ベースだったり、茶葉の違いで味わいが変わります。
特にオリエンタルアールグレイなどオリエンタルとつくアールグレイには、中国茶葉(キーマンやラプサンスーチョン)が使用されていることが多く、少しスモーキーさもプラスされた特徴的なアールグレイを愉しむことができます。
その他の茶葉ベースのアールグレイ
一般的な紅茶ベースの他に、近年ではほうじ茶や緑茶がベースになっているアールグレイも出回ってきています。緑茶ベースのアールグレイは水出しアイスティーがオススメで、とろりとした旨味と香りが最高です。
ほうじ茶もまた、香ばしさと爽やかなベルガモットフレーバーが心地よく、さっぱり満たされます。
その他、烏龍茶やルイボスなど…今では様々なベースがありますが、どれもベルガモットフレーバーを纏ったものはアールグレイ○○〇となっているのが面白いですね。
香料違いのアールグレイ
コチラも前回のコラムでお伝えしたように、使用香料も様々なのでメーカー毎にアールグレイの香りが違います。
ベルガモット単体使用でも違いがありますが、メーカーによってはベルガモットに同じ柑橘のレモンやオレンジ、グレープフルーツの香りをプラスして特徴を出しているメーカーもあります。
東インド会社のアールグレイには高級なネロリ(オレンジフラワー)をプラスしていたこともあり、唯一無二のアールグレイだったことが印象的です(残念ながら今ではネロリをほとんど使用されていないようですが…)
以上のようにベース茶葉違い、使用香料違い…この組み合わせだけでも数多なるアールグレイが存在しているというわけです。
まとめ
今回は【アールグレイ】について深堀りしてみました
あまりにも有名なアールグレイですが、名前の由来や様々なアールグレイがあることを知ったことで、自分好みのアールグレイを見つけやすくなると思います。次回は更にアールグレイを愉しめるように【アールグレイの愉しみ方】をコラムにしてみたいと思います!