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便のお話2

2024 8/19
美容 食 栄養
2024年8月19日

柴山です。前回に引き続き今回も便についてお伝えさせていただきます。

目次

一次性便秘と二次性便秘

便秘には一次性便秘と二次性便秘があります。

一次性便秘 特に原因がなく生活習慣などが原因で起こる便秘

原因がはっきりしない一次性便秘症でも様々なタイプがあり、ひとつ前の記事で紹介させていただいた、「弛緩性(機能性)便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」の3つに分ける方法が一般的です。

二次性便秘 何らかの病気等が背景にあり、それらによって起こる便秘

二次性便秘症を来す原因としては

・大腸がんや大腸ポリープなどの良性悪性腫瘍

・クローン病や腫瘍性大腸炎などの炎症による大腸狭窄

・糖尿病、甲状腺機能低下症、膠原病、アミロイドーシスなどの全身性疾患

・パーキンソン病、脊髄損傷、精神発達遅滞などの精神疾患

・薬剤による便秘症

などがあげられます。便秘を引き起こす薬としては、医療用麻薬、抗精神病薬、パーキンソン病治療薬、利尿薬、抗癌剤、制酸薬、カルシウム剤など様々なものがあります。

このように、便秘でも背景に見落としてはならない疾患があることがあります。特に

・血便が出ている方(便の色が赤黒い方)

・健康診断などで便潜血が陽性になった方

・他の症状(しびれや麻痺・疲労感などを伴っている方

などは、大腸内視鏡や全身性疾患の検索を行う必要がありますので、その場合は医療機関に相談されることをおすすめします。

便秘が続くとどうなる?

「便秘が続いても命に関わらないから大丈夫でしょ?」と軽く考える方もいますが、便秘はあまり放置しても良い疾患ではありません。 特に高齢者では、慢性便秘症を放置するとS状結腸軸捻転や直腸腫瘍、直腸脱、腸閉塞など、緊急に対処しなければならない疾患につながることが知られています。また便秘がない人と比較して、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の頻度が高いことが知られています。「たかが便秘」と思うかもしれませんが、「されど便秘」なのです。

薬に頼らない便秘解消法とは?

薬に頼らずに便秘を解消したいと思われる方も多いかと思います。例えば下記の方法を意識してみることから試していただくとよいかもしれません。
(※以前書いた別の記事の内容と重複する可能性があります)

食事編

①水分摂取を意識する
一般的に成人の1日に必要な水分摂取量は約1500mlとされています。特に夏場など気温が高い季節はより多くの水分摂取が必要です。普通、便の約75%は水分で構成されており、水分摂取が少ないと、便が硬くなり便秘の原因になってしまいます。普段から便が硬い方は、水分を多く摂ることを意識してみてください。まずは「朝起きたら、コップ1杯の白湯もしくは水を飲む」ことから始めてみると良いですね。

②1日3食、朝食をしっかりと食べる
食事をすることで胃に食べ物が入ると、大腸の運動が促進されます。大腸の蠕動運動は特に朝起きた直後に起こるとされていて、朝食は排便を促すスイッチになります。
朝食を抜く人に便秘が多いことも知られており、普段朝食を摂っていない人はまずは朝食を食べることを習慣づけましょう。

③腸内環境を整える
腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌などの多くの細菌がいますが、このバランスが崩れることで様々な病気を引き起こすことが知られるようになってきました。
たとえば、悪玉菌が優勢になると免疫力の低下、生活習慣病を引き起こしたり、大腸がんの発生に関与したりすることも知られています。また悪玉菌により、蠕動運動が抑制され便秘になることもあります(悪玉菌によりかえって蠕動運動が亢進して下痢になることもあります)。
逆に善玉菌が優勢になると、腸内の炎症が抑えられて免疫力が高まり、代謝や便通も良くなります。代表的な善玉菌としてはビフィズス菌や乳酸菌があり、多く含む食品としては発酵食品である納豆・キムチ・ぬか漬け・ヨーグルト・みそなどがあげられます。善玉菌のように腸内細菌のバランスを改善させる有用菌をプロバイオティクスと呼びます。
ただし、腸内細菌は相性もも大切と言われているため「自分に合わないな」と思ったら、様々な食品を試してみましょう。

④食物繊維を適切にとる
食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は、水に溶けてゼリー状に変化し便に潤いを与えることで排便をスムーズにします。不溶性食物繊維は、水分を吸収することで体積を増やし、大腸に刺激を与えることで蠕動を促す働きがあります。
どちらも重要な栄養素であり、両者をバランスよく摂取する必要があります。現代人は食物繊維の摂取量が低下しているため野菜やキノコ類、豆類、穀類など食物繊維が多く含まれるものを意識して食べるようにしましょう。
食物繊維は有用菌の栄養源となる事も知られており、このような物質は「プレバイオティクス」と呼ばれています。

次回は薬に頼らない便秘解消法の【生活編】と下痢や軟便についてお伝えします。

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投稿者

中村勇斗 加藤雅也 北川桜光 山内瞳 川辺グスタボ達也 木下なつ 柴山結衣 泉美樹 福岡諒 編集長

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