編集長です。アルコールチェック義務化は2022年4月1日から施行されています。が、10月1日から次のステップに進みます。そのあたりの法律を解説します。【2022/7/21現在延期の発表がありました。器具が品薄で厳格な実施ができないことが理由です。警察庁の判断はさすがです。厚生労働省は品切れでもいつも予定通り見切り発車を行いますので。】
2023年12月1日から開始する方針が発表
2023年6月に遂に2023年12月1日からアルコール検知器を 使用した飲酒検査義務化が始まる方針の発表がありました。
2022年4月から始まったアルコールチェック義務化の内容
4月からすでに始まっているアルコールチェックの方法は、
1.運転前後の運転者に対し、当該運転者の状態を目視等で確認することに依り、当該運転者の酒気帯びの有無を確認すること。(道路交通法施行規則第9条の10第6号)
2.酒気帯びの有無の確認の内容を記録し、当該記録を1年間保存すること。(道路交通法施行規則第9条の10第7号)
となっています。また、運転前後とは、出勤時・退勤時で良いとされています。
目視等で確認は、運転者と対面し、顔色、呼気、応答の声の調子等で確認するとされています。
2022年10月から始まるアルコールチェック義務化の内容
1.運転前後の運転者に対し、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(国家公安委員会が定めるもの)を用いて確認すること。(道路交通法施行規則第9条の10第6号)
2.アルコール検知器を常時有効に保持すること。(道路交通法施行規則第9条の10第7号)
と変わります。記録は変更なく、1年保管義務があります。
アルコール検知器の性能については、濃度を警告音、警告灯、数値等により確認できれば良いとされています。常時有効に保持するとは、常時持ち歩くことではなく、壊れているものは認めないという意味です。
1年間保管する記録項目
1.確認者名 2.運転する車のナンバー等 3.確認日時・アルコールチェッカー使用の有無 4.測定結果(酒気帯びの有無) 5.指示事項 6.その他必要な事項など と示されています。
長距離ドライバーなどはどう対応するのか?
よく耳にするのが、アルコールチェッカーを各自所持して、会社と電話を繋ぎながら測定結果音を確認するとか、web通話しながらチェッカーでチェックしているところを確認するといった方法です。
アルコールチェッカーは、なぜあんなに息を吹きかけないといけないのか?
アルコールチェッカーは4秒息を吹きかけるというものがほどんどかと思います。これは、それだけの息を吹かないと正しくチェックができないからだそうです。私たちの会社では、みんなでアルコールチェッカーを使うためにどうしたら使いやすいかを考えた結果、「ストローをハサミで4分割して使い捨てにする。」ということになりました。これはお勧めです。
実は、そもそも・・・
業務で車を運転する人はアルコールチェックが義務化だよ!というのは割と知られていますが、大前提として対象になるのが誰か?安全管理者制度を知っていますか?という点が知られていません。
2011年から緑ナンバーのアルコールチェックは義務化されていました。2022年4月から白ナンバーにも拡大されたということです。実は、この対象は車5台以上、バスなど乗車定員11人以上の車は1台以上所有している事業者が対象です。50cc以下のバイクは計算の対象外ですが大型・中型バイクは0.5台とカウントします。ですから、今回のアルコールチェック義務化は一人事業者は対象ではないということになります。
ところで、今回のアルコールチェック義務化の案内紙面には、【安全運転管理者業務が拡充されます】と記載されています。そもそも、上記の台数以上の車やバイクを所有している事業者には、安全運転管理者を任命しなさいという法律が以前からあります。
車の所有数というのは、事業が拡大する過程で徐々に増えていくものであり、気がついたら自社も対象だった・・・というものです。これを機に公安委員会の認定を受けて安全運転管理者を任命しています。アルコールチェックもチェッカーで行って、記録も残しています。という体勢を整えてはいかがでしょうか?
参考リンク
参考までに、アルコール検知器協議会という団体のHPに認定機器一覧が掲載されています。
国土交通省 自動車運送業におけるアルコール検知器の使用について
自動車運送事業におけるアルコール検知器の使用について | 自動車総合安全情報 (mlit.go.jp)
愛知県警察 安全運転管理者等の届出手続き(各県の県警毎)